▼投資の勉強

投資のはじめ方 『When 投資するタイミングは?』


まとめ
  • 勉強してから投資する
  • その後であれば、どのタイミングでもよい
  • タイミングをみての売買は難しい

投資はいつから始めれば良いのでしょう?
多くの参考書を見ると「できるだけ早く始めた方が有利」とあります。それ自体は間違いではありませんが、ひとつ加えさせてください。
それは、「投資の勉強をしてから」ということです。
もう少し付け加えると、「自分の投資内容に自信を持てるくらい勉強してから」、投資を始めることをお勧めします。

投資をしていると、(イヤですが)必ず暴落する時期があります。
市場が上昇時は多くの銘柄が値上がりしますので、勉強をしなくても上手くいくケースが多いですが、暴落時には、勉強していない事の影響が出ます。そして、投資を失敗させる最も悪い影響は、心理的な影響です。

自分の投資に自信を持っていない場合は、暴落時に、とにかく下がったという恐怖から、株などの資産を売却してしまいます(しかも、たいてい底値で)。そして、買い戻すようなタイミングが来た時は、たいてい値が上がりすぎている場合が多いのです。多くの場合、このパターンを繰り返し、資産を減らすことになります。
最悪の場合は、資産を減らしたまま、どこかで投資をやめるか、強制的に(借金をして投資をしていた場合)やめさせられてしまいます。
投資で成功した偉人の言葉で、よく「最大の敵は自分だ」ということを耳にします。これは、市場の暴落時や上昇時に自分の心(恐怖や欲)を抑えて、いかに冷静に行動できるかという意味です。
人間は本来、感情で動くので、冷静に行動するには勉強して理性で抑える(=心理的に強くなる)しかありません。
心理的に強くなるには、「オレは強い」と毎日暗示してもダメで、自分でしっかり勉強して、自分の投資内容に自信を持つことでしか強くなりません。そして、勉強の過程で、市場は周期的に暴落する(パニックになる)事も、異常に高騰する事も知りますので、輪をかけて冷静になれます。

また、勉強することの実践的な効果としては、「複数の資産でよく分散され、長期投資と複利効果で資産を増やすような投資」ができるようになります。それは、投資が上手くいく(=元本割れせず利益を出す)確率が高まることにつながります。
勉強することで、心理的な側面と、実践的な側面の両方のメリットがあるのです。

賢人の言葉より
「投資家の最大の敵は“費用”と“感情“である」
-ウォーレン・バフェット

投資のタイミング

さて、それでは、(勉強した後での)投資のタイミングですが・・・
投資の参考書を見ても、このテーマについてはあまり明確にのっていません。
中には「安いときに買って、高いときに売る」というアドバイスもありますが、これは無茶で、現実にはほとんど不可能です・・。理想は「市場が最も安い時に投資する」ことですが、基本的に「市場を予測する事は、不可能」なので、現実的には出来ません。
よって、正解がありません(最安値のタイミングが分かりません)ので、「勉強した後であれば、どのタイミングでもよい」と思います。

市場予想は有益?有害?
テレビや雑誌を見ると、多くの専門家が当たり前のように市場予測をしています。例えば「年末には日経平均は18,000円~20,000円になるだろう」というやつです。 皆さんも感じているとおり、当たる時もあれば、当たらない時もある、予想を当て続けることは至難のワザです。
本当に予測ができていれば、ライブドアショックもリーマンショックも起きていないでしょう。 歴史的事実を見ても、大きな市場変動(バブル崩壊など)は99.9%の人は予測できないのです。
さて、この市場予測ですが、私は有害だと思っています。
個人的には無視すれば良いのですが、それでも、勉強をしていない投資家に対して「タイミングで儲けようとする」風潮を煽る効果があるからです。タイミングで儲けるとは、例えば「日経平均が20,000円になるなら、今が買い時だ」、もしくは「7,000円まで落ちるなら、一旦売って、安値で買い戻そう」といった行動です。
私が見てきた専門家は、あたかも予測ができるように様々な材料で説明していましたが、そもそも彼らは「予想が外れても、自分のお金を損しない」のです。

現在、まとまった資金が無い場合は、毎月コツコツと積み立て投資を行えば、タイミングを意識する必要はありません。ある程度まとまった資金がある場合は、タイミングを考えてしまいますが、先のとおり「市場を予測する事は、ほとんど不可能」なので、自分で投資するタイミングを決めるしかありません。
今から過去を振り返ると、市場の高値と安値を手に取るように分かりますが、その時々には分からないものです。

株価が上がる直前、つまり安値で購入したいと思うのは当たり前ですが・・・米ミシガン大学が発表した面白い研究結果をご紹介します。
それによると、1963年から1993年の30年間における米国株式市場の上昇幅のうち、95%が、全取引日のなかで最も値上がりした1.2%の日に集中しているという(衝撃的な)内容です。1年でいうと、(不特定な)わずか4日分の上昇日を逃すと、すでに株価が高値になってしまっているというのです。
タイミング狙った投資を成功させるには、この突然来る大幅な上昇日を見極める必要があるのです。

ドル・コスト平均法は有利?
投資のタイミングに関して、よく出てくるキーワードで「ドル・コスト平均法」というものがあります。
これは、投資するタイミングを分散させる際に有効な投資方法(というより購入方法)で、定額で定期的に投資商品を購入する方法です。例えば、毎月5万円でトヨタ株を(5万円で買えるだけ)購入する方法で、株価が高い時は、買える株数が少なく、株価が低い時は多くの株が購入できます。
ドル・コスト平均法が有効なケースは、2つ考えられます。一つは、株価が下がっている時です。株価が下がっている場合は、この方法により平均購入単価が下がるため、投資収益が出やすくなります。(逆に株価が上がっている時は、平均購入単価が上がります。)つまり、市場を予測して、下落時にこの購入方法を実施すると大きなメリットがあります。ただし、先述のとおり「市場を予測する事は不可能」ですので、実際には難しいと考えられます。
もう一つの有効なケースは、現在まとまった資金が無く、毎月給与の一部でコツコツ積立て投資するような場合です。このような場合には、最も適した購入方法です。
逆にまとまった資金を投資する場合、タイミングを分散させるという理由だけで、ドル・コスト平均法を使い長期にわたって買付けをする事はお勧めできません。
なぜなら、多くの投資資産(株式、債券など)は長期的に右肩あがりの傾向があり、この購入方法だと、結果的に購入単価が高くなるからです。そもそも、長期間にわたりドル・コスト平均法で有利になるような資産は、(常に下落しているという事なので)投資対象として問題があると言えます。

最後に・・私の場合


私はあきらめました
「どのタイミングで投資すべきか」は誰でも関心があることですが、私はあまり気にしていません。
これまで、「○○円になったら売ろう」とか「○○円まで下がったら買おう」というタイミング重視の投資を何度か挑戦してみましたが、予想通りにいくことは稀でした。 むしろ、タイミングを間違え、高値で買って安値で売ることになった事は多々あります。
私の場合は、市場を予測できないので、タイミング重視でリターンを得ようという投資はあきらめました。
インサイダー情報が無い限り予測できません・・・(+_+)
たとえ、今の最高値で購入したとしても、(多くの資産は)長期的にはその高値をさらに上回ることを知っていますし、仮に、日本株のように20年たってもバブル時の高値を下回る資産があったとしても、外国株や債券などにも分散投資をしていれば、大きく損をする可能性は低くなります。
高値で買うか、安値で買うかでリターンに影響が出ることは事実ですが、安値で買えるかどうかは、ほとんど運だと思っています。


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