▼投資の用語集

リスクとは

投資における「リスク」は、私たちが日常で使うリスク(=危険なこと)とは少し意味が違います。
投資における「リスク」とは、リターンの変動(ブレ)のことを表し、リターンの変動幅が小さいことを「リスクが低い」、変動幅が大きいことを「リスクが高い」と呼びます。
例えば、トヨタ株と、あるベンチャー企業の株を比べた場合、トヨタ株に比べ、ベンチャー株の方が株価が大きく変動(数日で10倍など)する場合があります。この場合は、ベンチャー株は(トヨタ株に比べ)リスクが高いことになります。

■リターン変動の比較

それぞれの株価の値動きは、統計学的に、ある一定の範囲で上下することが分かっており、この範囲を数値化して「リスク」として表します。
数値化されたリスクは、統計学では「標準偏差」と呼ばれており、下記のように使われます。

■リスクの表し方
  年率平均
リターン
リスク
(=標準偏差)
  変動幅
(最大)
変動幅
(最小)
日本株式 3% 19% 22% -16%
外国株式 7% 20% 27% -13%
日本債券 5% 4% 9% 1%
米国債券 6% 13% 19% -7%
米国不動産 6% 22% 28% -16%
コモディティ 4% 24% 28% -20%

この場合、例えば日本株式のリスクは「19%」となっています。これは、年率平均リターンの3%を中心にして、上下19%のリターン変動(最大22%~最小-16%)が、約70%の確率で起こるという事を表しています。
少し言いかえると、日本株式の年率リターンが22%~-16%の範囲に納まる可能性は70%であると言えます。

70%、95%、99.7%

この70%(正確には68.3%)は、標準偏差における固定の単位ですので、投資におけるリスクを表す際には、いずれも70%の確率として表します。
ちなみに、この標準偏差を2倍すると、70%の確率が95%に高まり、標準偏差を3倍すると99.7%に高まります。
例えば、日本株式のリスクである19%を3倍すると(57%)、年率リターンが99.7%の確率で60%~-54%の範囲に納まると言えます。

  リターンが範囲に納まる確率 例)日本株式の場合
リターンの範囲
(変動幅)
年率平均
リターン
リスク値
標準偏差
(いわゆるリスク)
68.3% 22%~-16% 3% 19%
標準偏差×2倍 95.4% 41%~-35% 3% 38%
(=19%×2)
標準偏差×3倍 99.7% 60%~-54% 3% 57%
(=19%×3)

リスク(標準偏差)の数値は、各資産の変動幅の大きさを示しており、数値が大きいほど(リターンがブレやすく)リスクが高いことを表します。
下のグラフは、各資産のリスク数値を元に変動幅を表したものです。
この中では、「日本債券」が最もリスクが低く、「コモディティ」が最もリスクが高い事が分かります。
また、リスクとリターンは表裏一体で、「リスクが高いほどリターンも大きい」という事が分かります。

■各資産のリターンの変動幅

なお、このサイトで使う「リスク」は、基本的に「投資のリスク=標準偏差」が多いですが、たまに「日常で使うリスク」という意味でも使いますので、文面を見てご判断頂ければと思います。