▼投資のコラム

ドル・コスト平均法は有利?

投資のタイミングに関して、よく出てくるキーワードで「ドル・コスト平均法」というものがあります。
これは、投資するタイミングを分散させる際に有効な投資方法(というより購入方法)で、定額で定期的に投資商品を購入する方法です。
例えば、毎月5万円でトヨタ株を(5万円で買えるだけ)購入する方法で、株価が高い時は、買える株数が少なく、株価が低い時は多くの株が購入できます。

ドル・コスト平均法が有効なケースは、2つ考えられます。
一つは、株価が下がっている時です。株価が下がっている場合は、この方法により平均購入単価が下がるため、投資収益が出やすくなります。(逆に株価が上がっている時は、平均購入単価が上がります。)つまり、市場を予測して、下落時にこの購入方法を実施すると大きなメリットがあります。ただし、「市場を予測する事は不可能」ですので、実際には難しいと考えられます。
もう一つの有効なケースは、現在まとまった資金が無く、毎月給与の一部でコツコツ積立て投資するような場合です。このような場合には、最も適した購入方法です。

逆にまとまった資金を投資する場合、タイミングを分散させるという理由だけで、ドル・コスト平均法を使い長期にわたって買付けをする事はお勧めできません。
なぜなら、多くの投資資産(株式、債券など)は長期的に右肩あがりの傾向があり、この購入方法だと、結果的に購入単価が高くなるからです。そもそも、長期間にわたりドル・コスト平均法で有利になるような資産は、(常に下落しているという事なので)投資対象として問題があると言えます。