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投資における「リスク」は、私たちが日常で使うリスク(=危険なこと)とは少し意味が違います。
投資における「リスク」とは、リターンの変動(ブレ)のことを表し、リターンの変動幅が小さいことを「リスクが低い」、変動幅が大きいことを「リスクが高い」と呼びます。
例えば、トヨタ株と、あるベンチャー企業の株を比べた場合、トヨタ株に比べ、ベンチャー株の方が株価が大きく変動(数日で10倍など)する場合があります。この場合は、ベンチャー株は(トヨタ株に比べ)リスクが高いことになります。
それぞれの株価の値動きは、統計学的に、ある一定の範囲で上下することが分かっており、この範囲を数値化して「リスク」として表します。
数値化されたリスクは、統計学では「標準偏差」と呼ばれており、下記のように使われます。
年率平均 リターン |
リスク (=標準偏差) |
変動幅 (最大) |
変動幅 (最小) |
||
---|---|---|---|---|---|
日本株式 | 3% | 19% | → | 22% | -16% |
外国株式 | 7% | 20% | → | 27% | -13% |
日本債券 | 5% | 4% | → | 9% | 1% |
米国債券 | 6% | 13% | → | 19% | -7% |
米国不動産 | 6% | 22% | → | 28% | -16% |
コモディティ | 4% | 24% | → | 28% | -20% |
この場合、例えば日本株式のリスクは「19%」となっています。これは、年率平均リターンの3%を中心にして、上下19%のリターン変動(最大22%~最小-16%)が、約70%の確率で起こるという事を表しています。
少し言いかえると、日本株式の年率リターンが22%~-16%の範囲に納まる可能性は70%であると言えます。
この70%(正確には68.3%)は、標準偏差における固定の単位ですので、投資におけるリスクを表す際には、いずれも70%の確率として表します。
ちなみに、この標準偏差を2倍すると、70%の確率が95%に高まり、標準偏差を3倍すると99.7%に高まります。
例えば、日本株式のリスクである19%を3倍すると(57%)、年率リターンが99.7%の確率で60%~-54%の範囲に納まると言えます。
リターンが範囲に納まる確率 | 例)日本株式の場合 | |||
---|---|---|---|---|
リターンの範囲 (変動幅) |
年率平均 リターン |
リスク値 | ||
標準偏差 (いわゆるリスク) |
68.3% | 22%~-16% | 3% | 19% |
標準偏差×2倍 | 95.4% | 41%~-35% | 3% | 38% (=19%×2) |
標準偏差×3倍 | 99.7% | 60%~-54% | 3% | 57% (=19%×3) |
リスク(標準偏差)の数値は、各資産の変動幅の大きさを示しており、数値が大きいほど(リターンがブレやすく)リスクが高いことを表します。
下のグラフは、各資産のリスク数値を元に変動幅を表したものです。
この中では、「日本債券」が最もリスクが低く、「コモディティ」が最もリスクが高い事が分かります。
また、リスクとリターンは表裏一体で、「リスクが高いほどリターンも大きい」という事が分かります。
なお、このサイトで使う「リスク」は、基本的に「投資のリスク=標準偏差」が多いですが、たまに「日常で使うリスク」という意味でも使いますので、文面を見てご判断頂ければと思います。
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