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3つのキーワードのまとめとして、冒頭の内容をもう一度確認しましょう。
3つのキーワード「複利の力・長期投資・分散投資」は、それ自体が投資する資産(株式、債券など)の価値を上げるのではなく、あくまで、それらの資産に投資をした際に投資が上手くいく(=元本割れせず利益を出す)確率を高めるものです。
何よりも重要なことは、各資産にはそれぞれ「資産価値が上がる源泉」があり、それが(資産価値を上昇させ)投資家の投資収益を生むという事です。
この前提があってはじめて、3つのキーワードの意味があり、投資する事の意味もあるのです。
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最近、ある方の体験談を聞きました。
とても勉強になる話でしたので、ご紹介させて頂きます。
この方は、退職後の生活資金を蓄えるために10年20年コツコツと地道でマジメな投資をされていました。
「いよいよ退職だ。退職後の資金も十分蓄えた、これで安泰だ」という矢先、今回の米国金融危機により、たった数ヶ月で資金が半分になってしまったと言うのです。
この方は、現役世代の1990年に株式投資を始めました。
100万円を元手に、毎月5万円ずつ積立投資し、約20年間運用しました。
その結果、2008年9月には約2,000万円の資金ができたのですが、退職を迎える2009年頭には、それが1,000万円になってしまったのです。
現役世代から、とくに大きなリスクを取っていたわけではありません。
日本株だけでなく、世界各国の株にもよく分散されていました。
さらに、約20年という長期運用の中で、配当を再投資して複利効果も十分得ていました。
いわゆる「投資の王道」とも言える投資でした。
いったい何が間違っていたのでしょう?
・・この方には申し上げにくいのですが、「最後の最後にリスクの取り方を間違えた」のです。
問題は、大きな下落が起こりえる株式投資を、退職ギリギリまで続けたことにあります。
これは、運が悪かったのではなく、「自分の力で回避できた」ことなのです。
どのくらい大きな下落が起きるかは、投資する資産によって異なります。 例えば、退職に向けて、株式投資の比率を徐々に下げていき、替わりにリスクの小さい資産(国内債券など)に投資をしていれば、ここまで大きく資産を減らすことはなかったでしょう。
この方も、さらにあと10年運用できる期間があれば、半分に減った資金が回復する可能性は高いと考えられますが、その後、どのようにされたかは聞いていません。
以上でこのコーナーは終わりますが、これらの内容は「投資の基本」で最も言いたかった事です。
ぜひ、ご自身でより深く勉強され、実際の投資に活かされることを願っております。
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