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「複利の力」とはどういうことでしょう。
アインシュタインは、かつて「人類最大の発見は、複利の考え方である」と言ったそうですが、複利の力を理解するとても印象的な寓話があります。
以下は、「初年度に100万円を投資して、年率10%の投資収益があった場合にいくらになるか」という試算です。単利の場合と複利の場合を比較してみましょう。
初年度 | 1年目 | 5年目 | 10年目 | 20年目 | 30年目 | |
---|---|---|---|---|---|---|
単利 | 100万円 | 110 | 150 | 200 | 300 | 400 |
複利 | 100万円 | 110 | 160 | 260 | 670 | 1,750 |
差: | (1.1倍) | (1.3倍) | (2.2倍) | (4.4倍) |
当初は同じ100万円でも、年数が経てば経つほど、単利と複利の差は大きくなります。
20年で約2倍、30年では4倍以上も複利の方がリターンが大きくなるのです。
ちなみに、リターンで設定したリターン値「10%」が大きくなればなるほど、差は拡大します。
それでは、具体的に複利効果を得るには、どうすればよいでしょう。
投資において複利の力を活かすには、下記のことが必要です。
例えば株式投資の場合、株価が上がっても、できるだけその値上がり分を売却して現金化しない事が、複利効果を生みます。
下のグラフは、株価が値上がりしても現金化しないで保有し続けた場合(線グラフ)と、現金化した場合(棒グラフ)の、投資家の資産額を比べたものです。
初年度 | 1年目 | 10年目 | 20年目 | 30年目 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
現金化しない | 100万円 | 110 | 260 | 670 | 1,750 | |
現金化する | 100万円 | 110 | 200 | 300 | 400 | |
内訳 | (投資している資産) | (100万円) | (100) | (100) | (100) | (100) |
(現金化した資産) | (0万円) | (10) | (100) | (200) | (300) |
(値上がり分を現金化した際の税金は考慮せず)
30年目の資産額を比較して見ましょう。
現金化しない場合は、資産額が100万円→1750万円になります。
これは、当初100万円であった資産が、毎年の値上がり分によって年々膨らんでいく(=複利効果)ためです。
一方、現金化した場合は、100万円→400万円にとどまります。
その内訳は、毎年現金化された資産の累計(300万円)と、投資中の資産(100万円)の合計(400万円)です。もし現金化された際の税金を考慮していると、資産はもっと少なくなっているでしょう。
このように、値上がり分を現金化すると複利効果が得られず、資産額を増やすチャンスを逃すことになるのです。
さらに、配当(債券なら利息)が出たら、配当金を再投資して、保有株を積み増しする事が複利効果を生みます。
まさに、「利子に利子がつく」効果です。
それでは実際に過去のデータから検証してみましょう。
ここでは、過去20年において、米国株式、日本株式で、それぞれ配当を再投資した場合(配当込み)と、再投資しない場合(株価の値上がりのみ)の資産増加を比べてみます。
2004年1月 | 2023年12月 | 年率平均 リターン |
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米国株式(配当込み) | 米ドル | 100万円 | 620万円 | 9.6% |
米国株式(配当なし) | 米ドル | 100万円 | 400万円 | 7.2% |
日本株式(配当込み) | 円 | 100万円 | 340万円 | 6.3% |
日本株式(配当なし) | 円 | 100万円 | 230万円 | 4.2% |
過去20年においては、株価の値上がりのみでも資産は増えていますが、配当を再投資することで(複利効果が得られ)、より資産が増加していることが分かります。日本株式では約1.5倍、米国株式では約1.6倍の差が出ています。
これは、配当を再投資することで、保有株が余分に積み増しされ、その保有株に対して値上がり益と配当が加わるためです。この複利効果により、資産額が膨らんでいくのです。
以上のように、「複利の力」を活かした投資は、資産額を大きく膨らます効果があります。
そして、それは投資が上手くいく(=元本割れせず利益を出す)確率を高めるのです。
複利効果は時間が経てば経つほど大きくなります。
複利効果を最大限活かすために、第2のキーワードである「長期投資」があります。
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